本店を移転した場合には法務局に対して申請が必要です。

法務局には会社の登記に関する管轄が定められていて、最寄りの法務局に対して申請するわけではないので注意が必要です。

本店移転には以下の3つのパターンがあります。

  • 法務局の管轄が変わる、定款変更が必要
  • 法務局の管轄が変わらない、定款変更が必要
  • 法務局の管轄が変わらない、定款変更が不要

それぞれのパターンによって、申請書類の出し方や手続にかかる登録免許税という費用が変わってきます。

 

法務局の管轄が変わる場合

法務局の管轄が変わる本店移転では、旧住所を管轄する法務局に対して、旧住所を管轄する法務局への申請書類と新住所を管轄する法務局への申請書類の合計2通の申請書類が必要になります。

管轄外の法務局へ本店を移転する場合は、旧登記所への登録免許税3万円と新登記所への申請手数料3万円の合計6万円の費用がかかります。

それ以外の場合は旧登記所への登録免許税のみなので3万円の費用が掛かります。

神奈川県の場合は横浜地方法務局(本局)と横浜地方法務局湘南支局の2つの法務局で会社の登記を管轄しています。

それぞれの管轄は

横浜地方法務局 - 横浜市、川崎市
横浜地方法務局湘南支局 - 横浜市、川崎市以外のすべての都市

となっています。

法務局の管轄が変わる場合の本店移転とは横浜市、川崎市からそれ以外の都市に引っ越す場合と横浜市、川崎市以外の都市から横浜市又は川崎市に引っ越す場合です。

横浜市→川崎市や川崎市→横浜市の本店移転は管轄が変わるわけではないので手続が多少楽になります。

管轄がかわる場合は一般的に法人の印鑑届を旧管轄の法務局を経由して行うので同時に申請します。

 

定款変更が必要な場合

定款には本店所在地が記載されています。

この定款に書かれた本店の記載と本店の新住所が異なる場合は定款変更の手続が必要になります。

定款変更の手続は株主総会を開催して、特別決議(原則議決権の過半数出席、出席した株主の議決権の2/3以上の賛成が必要)という決議を経なければなりません。

この場合の本店移転の申請に必要な書類は

  • 株主総会議事録
  • 取締役会議事録又は取締役の過半数の一致があったことを証する書面(具体的な移転先、移転の時期を株主総会以外で定める場合)

となります。

 

定款内での本店所在地が最小行政区画(市区町村)、つまり「○○県○○市に置く」等で定められている場合があります。

その市区町村内で本店を移転する場合には定款変更の必要がありません。

定款変更の必要がないので株主総会を開くことも不要になります。

本店移転の決定をする機関は、取締役会設置会社では取締役会、取締役会を置かない会社では取締役の過半数の一致となります。

この場合の本店移転の申請に必要な書類は

  • 取締役会議事録または取締役の過半数の一致があったことを証する書面

となります。

 

本店移転申請サービス

当事務所では本店移転の申請を承っております。

サービスの内容は

  • 本店移転相談
  • 株主総会議事録作成
  • 取締役会議事録作成または取締役の過半数の一致を証する書面作成
  • 本店移転登記申請
  • 印鑑届出
  • 移転後の必要申請アドバイス

となっています。

料金は税抜きで

管轄外の本店移転 5万円
管轄内の本店移転 3万円

となっておりますので、ぜひご利用下さい。

 

本店移転の手続と費用のまとめ

 

申請書 必要書類 司法書士報酬 費用(登録免許税)
管轄が変わる+定款変更有リ 2通 株主総会議事録+取締役会議事録又は取締役の過半数の一致を証する書面(議決があった場合) 5万円 6万円
管轄が変わらず+定款変更有り 1通 株主総会議事録+取締役役会議事録又は取締役の過半数の一致を証する書面(議決があった場合) 3万円 3万円
管轄が変わらず+定款変更無し 1通 取締役会議事録又は取締役の過半数の一致を証する書面 3万円 3万円

本店移転の申請は管轄と定款によって手続き、費用がかわってきます。

意外と手続き機関を間違ってしまうケースが多く、本店移転日の定め方、本店移転の議決の仕方、株主総会議事録や取締役の過半数の一致を証する書面の文言によって登記申請がうまくいかなくなる場合があります。

本店移転の申請をする場合はぜひ弊所へご相談ください。