建設業法改正による建設業許可取得のポイントについて
建設業法の改正が2020年の10月1日にされ、実際の現場で運用が始まっています。
建設業法の改正では、主に3つの点が大きく変わっています。
- 建設業許可申請についての改正
- 請負契約についての改正
- 監理技術者・主任技術者の配置についての改正
しかし、11月18日現在でも神奈川県の建設業許可申請の手引きに関しては、まだ改訂中となっているので
なかなか確認するのが難しいところです。
あなたが新規で建設業許可の取得を検討しているのであれば
ぜひこの記事を読んでみてください。
今まで許可取得ができなかった場合でも、許可取得可能になるかもしれません。
建設業許可申請の改正ポイント
建設業許可申請で主に変わった点は以下のものです。
- 5年の経営経験で建設業のすべての業種の許可が取れるようになった
- 建設業2年以上+他業種3年以上の経営経験のある役員と、建設業許可業者または許可申請をしようとする会社で財務管理、労務管理、業務運営の5年以上経験のあるもの(以下、「経営補佐」といいます。)を置くことで許可が取れるようになった
- 建設業2年以上の経営経験+5年以上役員に準じる地位の経験があるものと「経営補佐」を置くことで許可が取れるようになった
- 許可取得のために社会保険の加入が必須になった
- 事業譲渡、合併・会社分割を行う際に許可の事前認可手続きができた
- 個人事業主の建設業許可に関して死後30日以内に引き継ぎができるようになった
経営管理責任者について、廃止されるということで許可取れると期待された方も多いかと思いますが、
一定の年数の経験は必須のまま残っています。
今回、経営経験として許可がとりやすくなったのは、
- 他業種で3年以上役員等の経験があり、かつ経営補佐を用意できる
- 支店長などを5年以上していた
といった場合です。
どちらかといえば大企業向けの緩和になります。
常勤役員を補佐するものとは?
建設業許可申請において、経営経験が足りなくても一定の場合は常勤役員を補佐するものを
おいて許可取得することができることが新しく定められました。
常勤役員を補佐するものに求められるのは、以下の3つでの5年以上の経験です。
- 財務管理
- 労務管理
- 業務運営管理
1人の人が全部を兼務する形でも構いません。
ただし、経営管理責任者との兼務はできません。
財務管理の経験とは?
財務管理の経験とは、
- 工事を施工する際の資金調達
- 資金繰りの管理
- 下請業者への代金の支払い
を行う部署での「管理」の経験です。
事務員として経理で働いていたなどでは経験として認められる可能性が低いです。
労務管理の経験とは?
労務管理の経験とは、
- 社内や工事現場における勤怠管理
- 社会保険関係の手続き
を行う部署での経験です。
一人でこれらの業務を担当していたなどの場合は経験として認められる可能性があります。
業務運営の経験とは?
業務運営の経験とは
- 会社の経営方針や運営方針を策定、実施
する部署での経験をいいます。
自治体ごとで証明書類は違いますが、管理業務の経験の証明をするために
以下のような書類が必要になってきます。
- 人事発令書
- 組織図
- 業務分掌規程
- 稟議書
- 社員名簿
- 業務経験期間の常勤であったことを示す資料(健康保険証、被保険者記録照会回答票など)
このあたりは申請をする会社ごとに相談をしていく形になります。
合併・分割・事業譲渡での許可申請の継続
合併・分割・事業の譲渡を行った場合は、
以前は、合併、分割、事業譲渡を行ったあとでなければ、新会社や譲受会社から
あらたに建設業許可の申請を行う必要がありました。
建設業許可には審査期間があり、その間はどうしても無許可の状態が発生してしまうという
問題がありました。
これが法改正により、合併・分割・事業譲渡に関して事前認可の手続きが設けられ
新会社での建設業の許可の引き継ぎができるようになりました。
ただし、一定の場合は承継ができないので注意が必要です。
承継ができないケースは以下の国土交通省の資料を参照してください。
相続による建設業許可の引き継ぎについて
個人事業主の建設業者に相続が起こると、それだけで建設業許可が切れてしまうという問題がありました。
法改正によって、
死亡から30日以内に相続の認可の手続きを取れば、
相続人が建設業許可を引き継いで営業できることになりました。
相続による建設業許可の引き継ぎが可能になったことによって、
突然無許可になり工事の請負が違法になってしまうというリスクが下がりました。
また、相続をしない場合は、従前どおり建設業許可の廃業の届出をして
事業を終了することになります。
まとめ
建設業法の改正によって、建設業許可要件はより複雑になっています。
特に経営管理責任者の要件は、理解がなかなか難しく勘違いもしやすい場所です。
「うちは建設業許可取得できるのか?」
「役員が許可要件を満たしているか?」
といったことを調べたい場合は
0466-54-7778
または
よりご相談受け付けております。
1980年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、研究所研究員、プロギタリストを経て司法書士・行政書士として「司法書士・行政書士事務所 ローライト湘南」を運営。専門は法人設立、融資サポート、営業許可、不動産活用。法令知識と経験で企業の問題解決のコンサルティングを行ってます。
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