ものづくり補助金や持続化補助金に大きな変更!令和3年度補正予算案のポイント
岸田政権の経済対策として令和3年度補正予算案の骨子が発表され、中小企業向けの補助金に関しても例年とは大きな変更点がでてきています。
- 事業復活支援金の新設
- 事業再構築補助金の変更点
- ものづくり補助金の変更点
- 持続化補助金の変更点
- IT導入補助金の変更点
について解説いたします。
「補助金を使って何かしたいなー」
と考えているのであれば理解をしておかないといけないポイントですのでぜひこの記事を読んでください。
令和3年度補正予算案の事業者向けのポイント
2021年~2022年にかけて行われる国の数十兆円規模の経済対策が令和3年度補正予算案です。
中小企業に関係のある事業をまとめたものが以下のものです。
事業者向けの経済対策としては、3兆8549億円が予定されています。
大きな目玉としては、
- 新型コロナの影響をうけて売上減少した企業に最大250万円の給付がある事業復活支援金
- 最大1.5億円の補助金がでる事業再構築補助金
- 中小企業の設備投資支援の生産性革命補助金
の3つです。
どれも事業者には活用しやすい支援金、補助金となります。
令和3年度補正予算の詳細は、
で確認することができます。
新型コロナの売上減少を補填する事業復活支援金の新設
新型コロナウイルスの影響を受けた事業者向けに、最大250万円の支援金の制度が予定されています。
対象となる事業者は
- 地域、業種を問わず
- 2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が30%以上減少した事業者
となります。
法人か個人か、売上の規模、売上の減少幅によって以下の表のようにもらえる支援金の額が変わります。
かなりの数の事業者が対象となる予定ですので情報はキャッチしておく必要があります。
現状では1月から申請が始まる予定となっています。
詳細は、以下の記事で解説をしています。
参考記事:事業復活支援金(持続化給付金2回目)で中小企業に最大250万円の一括給付!その条件とは?
事業再構築補助金の変更点
事業再構築補助金は2021年に始まった補助金で、新分野への事業転換を図る際に使える補助金となります。
- 飲食店がデリバリーをはじめる
- 自動車部品メーカーが航空、宇宙エンジン部品事業をはじめる
- 不動産賃貸業の会社が回転ずし屋をはじめる
といった大きな事業転換を含む設備投資に補助金で支援してもらえます。
令和3年度予算案での変更点は以下のようになります。
- 予算規模の縮小(1兆円→6000億円)
- 補助金が最大1.5億円への増加(最大1億円 → 最大1.5億円)
- 回復・再生応援枠、グリーン成長枠の新設
- 申請条件の変更
予算規模昨年の6割ほどになっているので採択率の低下が予想されます。
30%~50%ぐらいの採択率となり、書類作成についてはかなり練った計画を作成しないと採択されないでしょう。
また、申請するための条件が
2020年4月以降の連続する6か月間のうち任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること
となります。
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少していること
という以前の条件が撤廃となり、より申請がしやすくなっています。
ものづくり補助金の通常枠が最大1000万円 → 最大1250万円に
ものづくり補助金とは、新規性をもった事業をはじめる際のサービス開発、設備投資に使える補助金です。
ものづくり補助金の変更点としては、
- 通常枠の上限額が1250万円に
- グリーン枠の新設(補助上限額 2000万円)
- デジタル枠の新設(補助上限額 1250万円)
が挙げられます。
通常枠の最大額が上昇したことと、グリーン、デジタル分野への投資が新たに対象となります。
採択率は50%程度なのでこちらもきっちりとした計画書の作成が必要になるでしょう。
持続化補助金が最大200万円に
販促、宣伝、小規模な設備投資に使いやすい補助金が持続化補助金です。
変更点は、
- 賃上げや事業規模の拡大にともなう成長・分配強化枠(最大200万円)の新設
- 創業や後継ぎ候補者の新たな取組の新陳代謝枠(最大200万円)の新設
- インボイス発行事業者の転換のインボイス枠(最大100万円)の新設
となっています。
毎年多くの事業者が申請する補助金ですが、上限額が100万円→200万円と拡大された点もあり、事業所の改修や設備投資により使いやすくなるかもしれません。
IT導入補助金はPC等のハード購入も補助対象に
IT導入補助金は会計ソフト、受発注システム、決済ソフト等の業務効率化やDXのために導入するツールについて登録された業者から導入を行うと国が補助金がでる制度です。
IT導入補助金の変更点は、
- PC、タブレット等の購入費用が補助対象となる
- 上限額が450万円から350万円へ減少
- クラウド利用料の2年分の補助
となります。
インボイス制度への対応で設備投資が必要になる事業者がほとんどですので、その点では使いやすい補助金です。
まとめ
令和3年度の補正予算ででてきた補助金に関して、去年から細かい変更が加えられています。
特に補助金の申請条件や金額、対象となる経費の変更は、補助金の公募要領をよく読んで確認してください。
また、本記事の内容は補正予算案の審議によって内容が変更となる場合があります。
最新の情報をキャッチして、支援金、補助金を受けるようにしてください。
1980年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、研究所研究員、プロギタリストを経て司法書士・行政書士として「司法書士・行政書士事務所 ローライト湘南」を運営。専門は法人設立、融資サポート、営業許可、不動産活用。法令知識と経験で企業の問題解決のコンサルティングを行ってます。
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